信州大学医学部歯科口腔外科レジデント勉強会

Copyright
Department of Dentistry and Oral Surgery, Shinshu University School of Medicine


画像診断症例検討3 〜舌・口底〜

                1999.5.12 上原

1)舌・口底部における画像診断の意義

部位・進展範囲および浸潤様式の診断→治療方針の決定・手術時切除範囲の決定

2)CT とMRIによる舌・口底の読影

・CT・MRIによって腫瘍の質的判断を下すことはできず、役割としては原発部位および進展範囲の確認のみである。
・CTでもMRIでも腫瘍の進展範囲を探す上では特に変わりはなく、悪性腫瘍の場合CTでは血管造影を行うことによりその範囲がよりわかりやすくなる。MRIでは、CTと比較して組織の濃度分解能に優れているため、病変の範囲の同定はより容易となる。
・舌癌は、MRIにおいて、T1強調画像では低信号を示し周囲の筋組織との分離が困難であるが、T2強調画像では高信号を示し周囲筋組織への浸潤の判定が容易となる。

3)舌・口底癌の進展部位

・舌癌は口腔癌の過半数を占めると言われ舌縁に発生する頻度が高く、口底癌は舌小帯付近に多く発生する
・舌・口底癌の周囲組織への進展は、オトガイ舌筋・オトガイ舌骨筋・顎舌骨筋に沿って、前方や側方に進展する。後方では、舌口蓋筋・茎突舌筋に沿って軟口蓋や咽頭側壁に進展し、下方では喉頭蓋・下咽頭に進展する。 

 

<舌口底の解剖>

1.オトガイ舌筋 2.舌中隔 3.上縦舌筋 4.横舌筋 5.オトガイ舌骨筋 6.顎二腹筋前腹 7.顎二腹筋後腹 8.咬筋 9.外側翼突筋 10.顎舌骨筋 11.下顎骨 12.舌骨舌筋 13.硬口蓋 14.軟口蓋 15.口蓋垂 16.喉頭蓋 17.喉頭蓋谷 18.舌骨

 

<参考文献>

新編頭頚部の画像診断     秀潤社

画像診断のための解剖学図譜1 メジカルビュー社

歯科画像診断の最前線     医歯薬出版

口腔の解剖          南山堂 


歯科口腔外科の勉強会・症例検討のページに戻る

Copyright

Department of Dentistry and Oral Surgery, Shinshu University School of Medicine